7,救命救急

救命救急!バイタルサインと心肺蘇生法(CPR)の手順とAEDの使い方

deda

さて、今回の内容ではスポーツ現場で必要な救急法について学んで行きましょう。

突発的に誰かが倒れることはスポーツの現場や一般的な家庭でもいつ発生しても可笑しくない事象です。いつ、誰がどのタイミングで倒れるか分かりません。

今回このブログでは、救急にまつわる事象を説明していきます。

  1. 応急処置について
  2. 頭部傷害
  3. バイタルサイン
  4. 心臓の疾患について
  5. CPRについて
  6. AEDについて
  7. まとめ
  8. 講習(セミナー)案内
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1,応急処置について

先ず最初ですが、スポーツにおける緊急時の対処方法についてですが、先ず緊急についての定義を行いましょう。

ここでは、このように、定義します。
「予想できない状況が組み合わさった場合、またはその結果としてただちに行動するべき状態が生じた場合のこと」
【ためいらいや優柔不断、あるいは間違いといったものがあってはならない】と定義します。

ここで重要なポイントは、心臓と血管機能を確保、維持することにより、間接的に中枢機能を維持させる事である。

つまり、脳を守るという事です!

2,頭部外傷

先ほど触れましたが、人間生きて行く上で真っ先に守らなければ行けない場所は、脳です。

スポーツの現場であるのが、頭部外傷。

つまり脳しんとうです。ここで、分かりやすく脳と頭蓋骨と脳脊髄液で例えたいとおもいます。

例えですが、「水の入った容器に豆腐が浮かんでいる」というイメージは如何ですか?

では、そんな容器へこのようなケガが発生するとどうなると思いますか??

  • 頭部外傷:頭に何かが当たったら脳はどうなる。
  • 脳振盪:脳が頭蓋骨にぶつかる(皿の上にある湯の中で脳が振られる。)
  • 脳への圧迫・・脳が損傷を受けて、脳内圧を上昇させる。(逃げ場がない)
  • 頭蓋骨骨折・・頭蓋骨が割れる。(脳髄液が漏れる)

起こりうる症状

  • 頭痛やめまい
  • 吐き気
  • ふらつき
  • 記憶が飛ぶ
  • 瞳孔不同(左右の瞳孔の大きさが異なる)
  • 耳や鼻から髄液や出血
  • 頭皮にぶよぶよ感や陥没がある。

こんな事故にあうと、結果的にこのような症状が発生します。

評価の仕方

ここでは、これらのケガをどのように見るか?評価の仕方について説明してまいります。

  • GCS(グラスゴー・コーマ・スケール)※世界的に通用する意識レベル評価法
  • JCS(ジャパンコーマスケール)

 

・グラスゴー・コーマ・スケール

出典:看護roo

・ジャパン・コーマ・スケール

出典:看護roo

 

○質問する。・・・名前や生年月日。少し前のプレーや何があったか。

膝の屈伸や閉眼片脚立ち。

  • 様子を見る。(同じ事を言う。反応がない)

 

対処の仕方について

ケガの発生

意識があるか確認する。→なし119番

↓あり

○手足にしびれはあるか。

○評価・症状の確認

119番も常に考える

3,バイタルサイン

ここでは、バイタルサインと生きていると判断する上での生命兆候(バイタルサイン)について確認していきましょう。

重要な兆候について

  • 呼吸
  • 脈拍
  • 血圧
  • 体温
  • 皮膚の色
  • 瞳孔
  • 意識の状態
  • 動作能力
  • 異常な痛覚反応

これらが、緊急時に人間が生きているか確認する上での特徴となります。

呼吸:

人間の命の始まりと終わりは呼吸です。

因みに成人の呼吸数:12/分、 子供の呼吸数:20~25/分が基準値になります。

また、呼吸を行うときのリズムも確認しましょう。それは、浅い呼吸か?不規則な呼吸か?息切れをしているような呼吸か確認することが必要です。

 

脈拍:

成人の呼吸数は60~80回/分、子供:80~100回/分が基準値です。

特徴として、

早くて弱い:ショック、出血、熱疲労

早くて強い:心臓発作、極度の恐怖

ゆっくりで強い:頭蓋骨骨折、心臓発作

というように見分ける事が出来ます。

血圧:

血圧は身近な体調管理として使われていますね。

最大血圧:110~130mmHg

最小血圧:70~90mmHg

この基準値を超えたり下がったりすると、高血圧や低血圧といった分類に入ります。

体温:

35.5度~37度が人間の平均体温と言われています。

皮膚の色:

指標は赤、白、青

赤:心臓発作や高血圧

蒼白:ショック、出血、主に唇や指先の皮膚の色が青っぽい場合は呼吸困難

・日焼けした人がショック状態の時、口と鼻まわりの皮膚の色が灰色となり、舌や口の中、唇、指 先は青っぽくなる

・出血時のショックは、舌と口の中は青ではなく白になる

瞳孔:

片方・両方が拡大:頭部の損傷、ショック、熱射病、出血

片方・両方が光に無反応:脳の損傷、アルコール中毒

意識の状態:

常にチェックをしましょう。ここは、先ほどの意識レベル確認のポイントとリンクしてきます。

動作能力:

手足の動きが制限されているとき、頭部と脊髄損傷を疑います。

また、手足のしびれも確認して下さい。

 

痛覚反応:

大動脈封鎖:激しい痛み、感覚の喪失、手足の脈拍の停止

重傷であるにも関わらず、まったく痛みを感じない、気が付いてない:ショック、ヒステリー、薬物乱用、脊髄損傷

4,心臓の疾患

ここから、心臓の疾患について学んでいきます。

前回では、心臓の動きについて勉強しました。今回は、心臓が止まる・または心臓に負担がかかることはどういったことかを中心に行っていきます。

 

心臓の栄養(冠動脈)が止まる?

心筋が必要とするだけの血流が送られにくくなること。動脈が硬くなり血腫が出来て通りが悪くなる。これを狭心症という。

症状

・胸が締め付けられる。

・左肩左胸への放散痛

対処・ニトログリセリン

 

完全に血流が止まってしまうと

狭心症は血流低下によって起こるが、血流が無くなることを心筋梗塞と言います(心臓が動かなくなる)

症状・狭心症より痛みが強く30分以上続く。

運動を中止したりニトログリセリンを飲んでも効かない。

対処・すぐに病院へ→OPE

 

電気(刺激伝導系)系の疾患

心臓からの電気信号が不規則に出る事で、心臓が細かく震えるのが心室細動と言います。

細かく震えるだけで血液を全身へ送れない。

対処・AED

 

血流が低下すると

心筋梗塞で心臓の動きが止まると全身の血流が止まる。このようにして血の巡りが悪くなることを心因性ショックという。(血液循環障害)

出血などで、血の巡りが悪くなることを出血性ショックという。

 

原因

心室細動のショックも心筋梗塞が主な原因である。

それは、血管が細くなる、塞がるといったこと。

その要因は、ストレスなどの食生活の乱れなど現代社会の要因もある。

意識のある選手の評価:先ず、生命に関わる状態かを判断し、直接生命に関係のない傷害を取り扱う。

 

5,CPRについて(心肺蘇生法について)

さて、それでは、ここから心肺蘇生法について学んでいきましょう。

まず、目の前で人が倒れていたら周りの状況(2次被害の拡大)を見て近寄って下さい。

 

1、意識の確認

どうしましたか?と大声で呼び。両肩をさすり肩へ痛み刺激を与えて下さい。

それでも起きなければ次の段階です。

2、救急車とAEDの手配

周りに人がいれば119番とAEDの確保をするの人間を指定してください。

救急車には5W1Hで指定する。(具体的に)

3,呼吸の確認

呼吸が無いか、患者の呼吸を見て(胸)、聞いて(耳で)感じます(胸をさわる)

また、脈の確認手前で5秒、反対で5秒(1方向だけでは不十分)して下さい。

これで、呼吸も脈もなければすぐさま心臓マッサージの開始です。

4,胸骨圧迫

心臓が止まっていると判断したら、すぐに胸骨圧迫です。

30回のマッサージ(4~5センチ沈む程度、胸の真ん中)と2回の人工呼吸を5サイクルを行います。

この際、すぐにAEDが来るのが理想です。(AEDについては下記に記載しております。)

 

気道の確保と呼吸の回復

1.あごを持ち上げると舌が喉の奥から取り除かれ気道が確保。

2.首のケガを予測した場合は頭を固定する

3.見て,聴いて,感じて胸が上下しているか(見る)、口や鼻から空気の音がしているか(聴いて)、自分の頬で空気が感じるかを確かめる

4、鼻をつまむ

5.2回息を吹き込む(胸が大きく上がるのが分かるように)

 

救急隊が到着するまで、または本人がやめろというまで、続けて下さい。

特に現代の心肺蘇生法では胸骨圧迫を推奨しており、最低でも全体の60%を割くように指導しています。

6,AEDについて

まずAED(automated  external defibrillator)とは自動体外式除細動器と言います。

これは何に対して有効かと言いますと

室細動にだけ有効です。しかし、心疾患の殆どは心室細動である。

 

  • 使用方法
  • AED到着(CPRを行っている反対側に頭)
  • パッドの装着準備
  • パッドをつける。

右鎖骨の下(-)

左腋下7cm位(+)

心臓をはさむようにつける。

  • コネクターをつける。
  • 患者から離れる
  • 自動解析
  • 必要なら通電、不要ならCPR
  • CPR再開(2分間)
  • 2分後自動解析

 

  • パッドをつける際
  • 水・・・布で拭く
  • 金属・・はずす
  • 毛・・・毛をそる
  • ペースメーカー・・・2.5cmくらい下へ

 

  • 注意点
  • 決してAEDがあれば助かることではない。
  • 救急隊は来るまで決してはがさない。

7,まとめ

さて、救急救命に関する今回のブログ如何でしたでしょうか?

まずは、命と心臓の2つを守る事を考えましょう。また、心肺蘇生法は一刻を争う事態です。周りの方との連携も必要ですが、自分自身で心肺蘇生法の技術を忘れない努力も必要です。

相手の命を守る事にもなりますし、何より自分の身を守る事も優先ですよ。

8,講習(セミナー)案内

コース名:ハートセイバーAEDセミナー(NSCAなど各種トレーナー団体CPR資格対応)

人数:最大6名まで(最低3名)

時間:4時間程度

料金:15000円(継続は12000円)

場所:出張も対応します。一度ご相談下さい。

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